日々の活動Blog

【依頼講座】七ヶ宿町へ行ってきました!③

2025年9月20日(土)

依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター
プログラム「いちじくを作る」

「暑さ寒さも彼岸まで」という先人のことわざ通り、一気に秋の気配に切り替わったような秋のお彼岸の初日に、今が旬の「いちじく」をモチーフとしたプログラムを体験していただきました。

参加者のなかには自宅にいちじくの木があるということで枝付きのものを持参下さった方がいました。皆さんにお聞きすると、いちじくの実は甘く煮たりすることも多いけれど、熟したものは生で食べるととても甘くて美味しいとかいろいろ教えいただきました。この日は生で食べ頃のいちじくをタイミングよく準備できました。

ぷっくりと熟して実も割れかかっているものもあり、参加者からは「うわー 食べたい」という声が上がりました。

今回はこのいちじくを立体で表現します。まずはいちじくを知ることから始めました。実の形、緑系から深い赤紫まで多彩な色合い、皮の肌触り等を充分観察します。メインからは、いちじく(無花果)という名の由来や実を割った中の様子等説明があり、いちじくのイメージをつかんだところで、その独特な形の芯を作りました。

ここは土台なのでしっかり作っていきます。次に下地になる粘土での肉付けは、指先に力を入れるのが苦手な方々もできる範囲で工夫しながら、手を懸命に使って実のコロンとした感じや軸のシュッとした形を表現できました。全制作過程の中で、この肉付けの作業は一番熱のこもったところでした。

形が整ったところで色付けは色のついた粘土を使用します。色のついた粘土を絵の具とは異なる方法で色を混ぜ合わせていきます。合わせる方法によって混ざり具合が違うこと等メインの具体的な説明を受けて、初めての素材による色づくりに挑戦です。混ぜ合わせてできた色やマーブリングの状態を見極めながら、土台に貼り付けていきます。

色作りや貼り付け作業に悩みながら取り組みました。スタッフから「まだこれで終わりではありませんよ」と声をかけられると「そうだよね~ 最後まで分からないよね~」と、参加者も臨床美術の作品作りを心得たものです。仕上げに向けて、また違う素材で一工夫が入り、ようやく完成となりました。

いずれもいちじくの形状の可愛さを表現しつつ、色彩についても複雑な混色で甘い味わいや果肉のふんわりした雰囲気が伝わってくるような作品に仕上がりました。

「どうなるかわからなかったけれど楽しかった」「粘土の手触りが良かった」とこれまでにない素材でのプログラムを堪能していただけました。次回の講座は11月です。芸術の秋にお会い出来ますこと楽しみにしています。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【依頼講座】七ヶ宿町へ行ってきました!②

2025年7月19日(土)

依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター
プログラム「シャボン玉とんだ」

山形は今季最高気温を予報しておりましたが、七ヶ宿町に近づくにつれ、空気がひんやりしてちょっとホッとした気持ちで皆様をお迎えできました。今日のプログラムは前もってお知らせしていたので、挨拶の前に、皆さんにシャボン玉飛ばしをしていただきました。はじめは遠慮されていた方もスタッフがどんどん飛ばしてくるシャボン玉に刺激され、笑顔で加わってくれました。

ゆっくりと大きく膨らんだ虹色のシャボン玉に歓声があがったり、十分楽しんでもらった後は、シャボン玉の思い出話に花が咲きます。昔は麦の茎を使ったこと。石鹸を溶かしたり、食器洗いの洗剤を使ったこと。真っ白な雪景色にシャボン玉の色が映えて奇麗だったこと。シャボン玉とんだ~♪誰からともなく歌い出し最後は笑いと拍手で締めくくり、いよいよ制作にはいりました。
参考作品やシャボン玉の写真を見ながら、こんなの描けるかしら?と、なかなか手が動かない方に、「写真より上手に描こうなんて思わない方がいいよ」「そうだよね~」そんな会話が聞こえます。いざオイルパステルで色を付ける段階になるとさすがに慣れた手つきで、立てたり、寝せたり。混色や指でこすったりを繰り返し、実際に飛ばしたシャボン玉の様子を、思い思いに表現されていました。色鮮やかなシャボン玉。真っ青な空や七ヶ宿の山々をそのまま映したような爽やかなシャボン玉。重なりあったり、割れる瞬間を表現したりと、色々な工夫がされていますね。
シャボン玉を切り取った時に、フワッと空に飛んでいく様子を表現してみた渾身のパフォーマンス( ´∀` )には思いがけず拍手を頂き恐縮です。
器用に切り取ったシャボン玉を、これ又悩みながら、それでも楽しみながら台紙に仕立ててもらいました。今にも空へ飛び出しそうですね。緑豊かな七ヶ宿の真っ青な空に舞い上がったら素敵でしょうね~
世界は空で繋がっています。ウクライナ情勢に想いを馳せたという作品など、紹介しきれませんが一つ一つの作品には想いがいっぱい詰まっていました。
今回は工程も多く、シャボン玉飛ばしやお喋りに時間をかけてしまい少し急かしてしまい申し訳なかったですが、楽しい時間をありがとうございました。
まだまだ暑い日が続きますが熱中症対策には充分心がけ、次回も元気でお会いしましょう。
写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

 

【依頼講座】七ヶ宿町へ行ってきました!①

2025年5月17日(土)

依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター
プログラム「シースルーライン」

七ヶ宿町での今年度最初の講座は、あいにくの雨模様となってしまいましたが、雨に洗われた木々の葉が新緑の美しさをより鮮やかにしてくれました。七ヶ宿町の自然の豊かさを実感する中での始まりです。今回の参加者は14名。いずれも体験を重ねてくださっているので、今回も楽しみに集まってくださったようです。更に今年度から担当される職員の方も加わっていただき、総勢15名で実施しました。

取り組むプログラムは色鉛筆を使用して描くものです。モチーフのないプログラムなので、始めに参考作品を提示してイメージを高めていただきました。

描き出しは色鉛筆で数本の違う形状の線を引くことからです。単純ではありますが、普段ほとんどやったことのない動きに、思わず「楽しい!」という声が聞こえてきました。

その後は、各自どんな形があるか眺めてみます。見つけたところに色を塗ったり、様々な工夫を凝らしながら形を埋めていきます。静かな空間で各自の世界に没頭していかれました。

仕上がってきたかな~というところで、スタッフから「これを切ります」と意外な声がけがあり、「え?」という展開になりました。スタッフの説明をたどりながら作品は形を変えます。工程はシンプルですが「どうしたらいいか悩む~」とか「あたま使うな~」との声に、スタッフも「たくさん悩んで楽しんでくださいね」と進めました。

ようやく新たな形に整ったところで、更に「これで終わりではありませんよ~ 、もうひと手間あります」と次の段階へスタッフは促します。参加者からは「えっ、まだ終わりじゃないの?」との驚きの声。「これからが最終仕上げです」と、もう一つ工程を加えます。各自の作品が更にバージョンアップしたところでサインを入れました。

鑑賞会では、まず作品を一堂に並べてみると、各作品でこんなに違いが鮮明になるものかということに驚かされました。

同じ画材、同じ道具を使用しているにも関わらず、画面の構成や色鉛筆の塗り跡、線の強弱や装飾線の活かし方等、まさに「オンリーワン」というクリニカルアートの特性を活かした出来栄えになったと思います。スタッフとしては、熱心に取り組まれる雰囲気に講座でのやりがいと、予想以上の作品との出会いに力をいただいた気持ちです。

今回の作品は、来月町内にある「こ・らっしぇ」で展示されるそうです。たくさんの方々に見ていただきたいですね。
次回は7月です。次は、どんな作品と出会えるかスタッフも楽しみにしています。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【展示情報】クリニカルアートやまがた 作品展 開催!

★クリニカルアートやまがた 臨床美術作品展★

今回、山形県米沢市の米沢信用金庫のギャラリーにて作品展を開催する運びとなりました!
お近くの方はもちろん、この機会にぜひ米沢までお越しください♪

期日:令和7年1月21日(火)~2月3日(月)
場所:米沢信用金庫 本店ギャラリー (山形県米沢市大町5-4-27 TEL 0238-22-3435)

 

PDFでのデータはこちら
↓↓↓
202501021 米沢信金展示

 

 

【依頼講座】七ヶ宿町へ行ってきました!④

2024年11月16日(土)

依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター

プログラム「里芋のスクラッチレリーフ」


猛暑の影響からか、今年の紅葉は遅れて見頃を迎えたようです。11月中旬ですが…七ヶ宿町の山々も赤や黄色の葉を纏い美しく色づいていました。外の空気はひんやりと肌寒いのですが、室内は暖か。会場の雰囲気もぬくもり感じる明るい笑顔と笑い声に包まれています。会場の入口には里芋。七ヶ宿町で採れた立派な「土垂」を社協さんが用意してくださいました。今年度最後の講座は里芋をモデルにレリーフを作ります。

まずは、里芋を観察します。いつもはすぐに皮を剥いてしまう里芋ですが、じっくりと観察するとなかなか魅力的な形や色、模様をしています。土の中で栄養を吸収して大きく育った里芋達。個性豊かな姿をしています。この形を粘土で表現すると聞き参加者の皆さんは少々不安気な表情です。

しかし、粘土が登場すると先程までの不安はどこへやら、童心に返ってコネコネ、もみもみ、丸めたり、指で押したり、摘んだり、つねったり…とても楽しそうです。

里芋の形を作ったらお次はスクラッチです。里芋の皮には個性溢れる縞模様。絵の具を塗った表面を削ると粘土の茶色が見えてきて、一気に里芋らしく見えてくるから不思議ですね。時折会場はシーンと静まり返り時を忘れて制作している姿が見られました。右脳に切り替わっていますね。

まるまるほくっと美味しそうな里芋の完成です!黒い台紙に置いたら一層里芋の形や模様が引き立ちますね。

「粘土がついた手を綺麗にしたら鑑賞会をしませんか」とメインが声をかけたところ片付けが済んだ人から作品の周りに集まり始めました。いつもは席で座って実施している鑑賞会ですが、今回はこのまま作品の近くで立ち見鑑賞会のスタートです!

細かく描き込まれた縞模様、あえて描き込みすぎないことで形を強調したり、先端を反るように形作ったり、里芋の丸みを表現したり…近くで見ればこそわかる個性と魅力の数々。本物よりも大きくてずっしりと存在感のある作品に仕上がっていました。このままみんなで川原で芋煮会がしたくなりますね。出来上がった作品は町のカフェ「こ・らっしぇ」に展示されるそうです。今年も制作を通じてたくさんの笑顔に出会えたこと嬉しく思っております。来年はどんな作品と出会えるのか今からとても楽しみです。少し早いのですが皆様よいお年をお迎えください。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

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