日々の活動Blog

【依頼講座】七ヶ宿町へ行ってきました!①

2023年5月20日(土)
依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター
プログラム「パステル色の空」

 

令和5年度の講座が始まりました。今朝は珍しく青空の見えない七ヶ宿です。いつも講座の日はお天気に恵まれているので、なんだか少し淋しく感じておりましたが、会場に入ると「お久しぶりです」「楽しみにしていたんだよ~」と歓迎ムードで出迎えてくださいました。会場に集まった皆さんの笑顔はまさに太陽そのもの!会場の空気もぽかぽかとあたたかく感じられます。本日のプログラムは「パステル色の空」です。タイトルを聞けば空を描くことはわかりますが、一体どうやって描くのかしらと不安そうな声が聞こえてきます。

メインが用意してきた空の写真を見ながらまずはイメージすることから始めましょう。「空」と一口に言っても青空、曇り空、夜明け、夕焼け・・・場所や時間帯によって全然違います。「海で見る夕焼けは真っ赤だね」と山に囲まれた地域との違いに驚きと発見があったようです。これから描く空もきっと時間の経過とともに変化していくのでしょうね。出来上がりが楽しみです。

描き始めは緊張するものですが、参加者の皆さんに迷いは感じられません。スイスイと手を動かしながら空を描いていきます。「全体を塗りたくない」「ここに色を足した方がいいかしら」「太陽の光を表現したい」と思い思いの空を表現していきます。

気付けばいつもなら立ち上がって他のテーブルの作品を観に行く「途中鑑賞会」の時間です。今回は右脳スイッチが入ったのか誰も立ち上がりません。メインが「他のテーブルを観に行ってもいいですよ」と声をかけるとハッとしたのか、いつものように移動する人の姿がチラホラ。とはいえいつもよりも座って制作している人の方が多かったことにはビックリです!

「やめ時わからなくなっちゃった」という言葉の通り、最初の紙の色がわからないほど色をたくさん塗り重ねた深みのある「空」の完成です。

白い壁に作品が飾られるとまるで窓がたくさん出来たみたい!見ているだけでワクワクするようないろいろな空が広がりました。昔登った山で見た空、眩しすぎて目を開けていられないくらい眩しい光、七ヶ宿町の青空等、皆さん思い出いっぱいの空を描いてくださったそうですよ。

お家に帰ったら是非飾ってくださいね。お部屋がぱぁ~っと明るくなること間違いなしですよ。次回の講座は7月15日です。初夏に元気にお会い出来る日を楽しみにしています。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【依頼講座】七ヶ宿町へ行ってきました!④

2022年12月3日(土)
依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター
プログラム「さつまいもの量感画」

 

宮城県内の朝の気温はマイナス。冷たい空気に冬の訪れを感じましたが、講座が始まる頃には太陽が顔を出し、室内を明るく照らしてくれました。講座が終わる頃には上着がいらないほどの小春日和。七ヶ宿の空も臨床美術を楽しみにしてくれているのかもしれませんね。今年度最後の講座は「さつまいもの量感画」です。モデルのかわいらしいお芋達が並んで皆さんの到着を待っていましたよ。

今回の講座はさつまいも選びからスタートです。「蜜がついている芋が甘いのよ」「このさつまいもが美人ね」「私4人家族だから4本選んでいいの?」と会場内には明るい笑い声が響き渡ります。

お待ちかねの制作スタート。メインのさつまいもの説明に頷く姿も見られましたが、オイルパステルを手にした途端、皆さん迷うことなく描き進めました。賑やかだった会場が一変!いつもより早い段階からシーンと静まりかえっていましたよ。

土の中で養分を蓄え大きく成長していくさつまいも達。気付けばモデルよりも大きな中身のぎっしり詰まった、どっしりとしたさつまいもに仕上がっていました。「私、毎日さつまいも食べているから美味しいかどうかわかるのよ」という声も聞こえてきましたよ。

今回はコロナ禍ということで、お楽しみの試食は出来ませんでしたが、皆さんしっかりとさつまいもの美味しさを「色」で表現していました。ホクホク、ねっとり、しっとり・・・食感の好みは人それぞれ、作品の仕上がり方も1人1人違っていて個性的で素敵ですね。

鑑賞会は収穫したてのさつまいも達が並ぶ八百屋さんのようです。ずっしりと美味しさの詰まったさつまいも達の完成です。

手元で見ていた時とは違う印象に名前が呼ばれるまで自分の作品だと気付かない方の姿も見られましたよ。ほっこり甘い焼き芋を食べた後のように、会場内はあたたかい雰囲気に包まれていました。

今年も残すところあとわずか。今年度は全4回講座を開催することが出来ました。七ヶ宿町の皆さんとの楽しい時間は、毎回あっという間。私たち臨床美術士も右脳が活性化されて、いつも幸せな気持ちで会場を後にしております。次回はどんな作品に出会えるのか。笑顔でお会い出来る日を楽しみにしております。皆さま良いお年をお迎えください。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【依頼講座】七ヶ宿町へ行ってきました!③

2022年10月22日(土)
依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター
プログラム「かぼちゃを描く」

 

山々に囲まれた七ヶ宿町では紅葉の見頃を迎えようとしていました。秋といえば食欲の秋?スポーツの秋・・・いやいや芸術の秋ですね。本日は「かぼちゃ」を描きます。かぼちゃはかぼちゃでも小さなかぼちゃ「坊ちゃんかぼちゃ」です。手のひらサイズの小さなかわいいかぼちゃ達。参加者の中にはご自身の畑で朝採れたかぼちゃを持参してくださった方もいましたよ。

「重いかぼちゃが美味しいのよ」と小さなかぼちゃを両手に持って重さを比べたり、形や色を重視したり・・・モデルのかぼちゃを選ぶところから今回の臨床美術は始まります。

いつもすぐに調理するかぼちゃもじっくり眺めてみると1個1個個性がありますね。

本日の画材はオイルパステル。混色を楽しみながら皆さんスイスイ描いています。小さいかぼちゃですが、ずっしりと重さを感じる仕上がりになってきましたよ。

ヘタや筋、傷、ゴツゴツとした形・・・塗り込むほどにかぼちゃの質感に近づいていきます。

七ヶ宿町恒例のプレ鑑賞会でさらに制作意欲が沸いてきます!

ヘタや筋、傷などかぼちゃの個性を活かしたステキな作品に仕上がってきましたよ。本物そっくり…いや本物以上に魅力あふれるかぼちゃの数々。

最後に自分達の描いたかぼちゃを手に持って作品に似合う台紙を選びます。ついつい着ている服や好きな色を選んでしまう方もいらっしゃいますが、台紙に作品を合わせてみると、違和感があるようです。簡単そうな色選びですが、じっくりと選ぶと迷ってしまいますね。でもこの時間もお買い物をしているようでなんだかとても楽しそうです。

実りの秋にピッタリ!かわいいかぼちゃを描いた作品の完成です。

ヘタや筋、形などこだわりのぎっしりつまった作品に仕上がっていましたよ。

なんとヘタを立体的に張りつけた作品もありました。

七ヶ宿町の皆さんの想像力の豊かさにはいつも驚かされます。

鑑賞会が始まるとマスク越しでもわかるほど、明るい笑顔が見られました。モデルになったかぼちゃ達もこんなに魅力的に描いてもらってきっと喜んでいるはずですよ。次回は最終回。七ヶ宿町の皆さんにお会い出来る日を楽しみにしています。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【依頼講座】七ヶ宿町へ行ってきました!②

2022年7月2日(土)
依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター
プログラム「スイカの暑中見舞い」

 

ジリジリと暑い夏がやってきました!参加者の皆さんは太陽の日差しに負けないくらいとても元気です。今日のモデルは夏を代表するくだもの「スイカ」です。

1人分づつ切り分けられたスイカが配られると皆さんの瞳がキラキラと輝きました。「これは熟しているね」「美味しそうなスイカだね」とじっくりと観察しています。

「香りを嗅いでみましょう」とのメインの呼びかけに「青くさいね」「甘い香りがする」と感想は様々。パックに入ったスイカを手に取って、いろいろな角度からスイカを眺めてとても楽しそうです。今回は久しぶりに試食用のスイカもご用意いただきましたよ。口に入れるとみずみずしい甘さが広がって思わず全部食べてしまいたくなりますが、我慢我慢!皆さんの制作意欲も刺激されたようです。目で見て嗅いで味わって…五感を使ってスイカを感じた後はお待ちかね制作の始まりです。

水彩絵の具を使って白い紙の上にスイカのみずみずしさを表現していきます。味や香り感じた色を選んでスイカの果肉の色に近づけていきます。

七ヶ宿町でお馴染みの途中鑑賞会が始まりました。違うテーブルの方の作品を眺めてお互いに褒め合います。色や技法について質問し合って、良いところは自分の作品に活かす大切な時間です。同じスイカでもこんなに色が違うという発見があったようですよ。

スイカといえば「種」もお忘れなく!

「私のスイカには種がいっぱいあるよ」「白い種もあるわ」「筋もあるわね」と制作中は何度もスイカに目を向けながら制作していましたよ。実はこのプログラムは、2015年8月にも実施しているので、今回2度目の参加者の方もいらっしゃいます。前回はどんな作品に仕上がったのかというと…

スイカといえば「赤」の印象が強かったのでしょうね。(2015年8月撮影)

そして今回の鑑賞会の様子がこちらです。味や香りスイカから感じた思い思いの色の世界を表現してくださいました。みずみずしさはもちろんのこと夏の暑さを吹き飛ばすような元気で明るい気持ちになれる作品に仕上がっていましたよ。

今回の制作には続きがありまして…端材を使ってハガキサイズのカードにコラージュを楽しまれていました。次々と発想が膨らんで手が止まらない様子。七ヶ宿町の皆さんの想像力は無限大のようです。

今回も楽しい時間をありがとうございました。暑い夏を乗り切るパワーを七ヶ宿町の皆さんからたくさんいただきました。次回の講座は10月。実りの秋にお会いしましょう。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【依頼講座】七ヶ宿町へ行ってきました!①

2022年5月14日(土)
依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター
プログラム「植木鉢に描く地中のアナログ画」

 

日増しに木々の緑が濃くなり初夏の風が感じられる季節になりました。今年度、第一回目の臨床美術講座は、参加者の方からリクエストがありました『植木鉢に描く地中のアナログ画』です。実はこのプログラム以前にも七ヶ宿町で実施したことがあるのです。調べてみたら2016年7月18日に実施していたようですよ。

この写真は6年前の講座の写真です。月日の流れは早いものですね。メインは前回と同じメンバーが担当させていただきました。でも、写真を見ていると前回と大きな違いを発見しました!

ヒントは机の上にありました!

前回はこちらで用意した植物の種や根を見ながら制作しましたが、今回は参加者各自でご持参いただきました。机に並ぶ種や草花達・・・ご自身の庭や畑から摘んで来た方もいましたが、いつもの散歩コースで視点を変えて探してくれた方もいたそうです。苦労の甲斐あっていい形の種を見つけたとお話してくれた方もいましたよ。

 参加者の皆さんは、講座が始まる前の早い時間から集まって、お互いに持参したモチーフを見せ合っていました。前回の大根に引き続き今回もモチーフを探すところから講座が始まる参加型スタイルです。個性豊かな草花を前に皆さんのテンションも上がっています。

 

「この種何なの?」「面白い根っこだね~」「あら~たくさん持って来たから私の種分けてあげるから」とモチーフを前に会話が弾みます。講座が始まる前からとても楽しそうです。

 

制作が始まりました。いつも以上にじっくりと時間をかけてモチーフを観察しています。種の形だけでは、成長した姿が想像出来ないものもあってその過程を想像するのも面白いですね。

 

小さな植木鉢に地中の世界が広がっていきます。平面の紙とは異なり曲面に色を塗るのが大変という声も聞こえてきましたが、オイルパステルを立てたり寝かしたりしながら思い思いに塗り込んでいました。

 

出来上がった作品は中央の机に並べて鑑賞会です。1つ1つメインが手に取りながら、いろいろな角度から作品を見つめます。

 

よく見ると植木鉢の裏側や内側にも色を塗っている方がいましたよ。素焼きの植木鉢が色とりどりの衣装を身にまとって一列に並ぶと、まるでファッションショーのような華やかさです。立体作品の魅力は様々な角度から見て楽しめることです。ご自宅に持ち帰ったら、時折、角度を変えて展示を楽しんでくださいね。次回は夏の講座でお会いしましょう。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

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