日々の活動Blog

【依頼講座】七ヶ宿町に行ってきました!③

2021年11月6日(土)
依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター/湯原コミュニティーセンター
プログラム「青首だいこんのちぎり絵」

今年度最後の講座の日。七ヶ宿町では紅葉が見頃を迎えていました。真っ青な空と赤や黄色に色づいた木々が美しく見とれていたらあっという間に会場に到着しましたよ。今回のプログラムは「青首だいこんのちぎり絵」です。実はこのプログラム2016年3月にも1度実施しているのです。今回の参加者のうち数名は2回目の制作になります。昨年度、最後の講座で参加者の皆さんに「来年はどんなプログラムをやってみたいですか?」とお聞きしたところこのプログラムをもう一度やってみたいとのリクエストをいただいたのでした。考えてみれば・・・私たちクリニカルアートやまがたでも同じ会場で同じプログラムを2回実施するのは初めて!どんな発見があるのかとても楽しみです♪

「おはようございま~す」と会場に入る皆さんの手には大きな大根。畑で採れた個性豊かな大根を持ってきてくれたそうです。お互いの大根を見比べながら会話も弾みます。

臨床美術は五感で楽しむ美術です。しっかり見て触って大根の大きさや形を確かめましょう。「重いねぇ」「葉っぱ萎れてっちゃ~」「曲がってていいねぇ」「ヒゲ抜かない方がいいよ!あった方がいいから」と自分の大根のみならず他の方の大根の魅力にも気づけるくらい皆さん余裕があります。

さぁ~制作の始まりです。様々な紙を使って大根の白さを表現していきます。今回は七ヶ宿町と同じく宮城県南の町で作られた『丸森和紙』もご用意しましたよ。民芸和紙と似ているけれども並べてみると丸森和紙の方がほんのり黄みがかっていて大根の色に近く見えます。ちぎった時の手触りが柔らく感触が心地良いですね。

今回は皆さん大根を良く見て和紙を選んで貼っていました。私の記憶では、5年前は2人で1本の大根を見ていたからか・・・最初は見ていた大根も途中からは作品にしか目を向けず制作していた印象があります。今回は皆さん自信に満ちた表情で大根のヒゲやキズ、シミなどを色和紙で表現しています。和紙をシワシワにしたり、こよりを作ったり・・・和紙を使った表現の幅が広がり、制作を楽しんでいる様子が伝わってきて私たちも嬉しくなりました。

「何やらされてるかわからない」「出来ないから先生やって」と言っていたのは過去の話。紙だけとは思えないほど深みのある色合いの大根に仕上がりましたよ。

迷った時は作品の向きを変えて見てみませんか?と声をかけなくても自然と手が動いて・・・気づけば自分の作品と向き合っています。

和紙をちぎって貼って本物以上に魅力的な大根の完成です!本物の葉っぱを飾りで貼るという新しい挑戦を試みた方もいらっしゃいましたよ。モデルの大根が個性的だったこともありますが、皆さんの大根も負けないくらい表情豊かで見ているだけで楽しくなる作品に仕上がっていました。

色とりどりの朝採り大根が勢ぞろい!白い壁が一気に華やかになりました。見る人みんなを笑顔にする新鮮でイキイキとした大根に仕上がっていました。こんなに魅力的な大根が並ぶ朝市があったら毎日通いたいくらいです。

こちらの写真は2016年3月の作品です。七ヶ宿町で5回目の講座でした。社協さんにとても立派で大きな大根をご用意いただき、2人で1本の大根を向かい合って制作しました。白い大根なのに色の和紙を使うことに抵抗があったようですが、皆さん迷ったり、戸惑いながら和紙をちぎって貼って制作していました。あれから5年の月日が流れ、今回2度目のプログラムでしたが、どの工程に対しても迷いや抵抗がなく楽しんでいる様子が伝わってきました。時には他のテーブルに見学に行き、途中経過を見て鑑賞会を始める余裕も見られましたよ。楽しむ気持ちの大切さを改めて七ヶ宿町の皆さんに教えていただいた気がします。今年度はコロナ禍での講座開催となり、日程の調整はじめ会場設営など七ヶ宿町社会福祉協議会の皆様にはご尽力いただき感謝申し上げます。紅葉が終わる頃には冬の足音が聞こえてきそうですね。大根の入った熱々おでんが食べたくなる季節になりますね。またお会い出来る日を楽しみにしています♪皆様良いお年をお迎えください☆

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【依頼講座】七ヶ宿町に行ってきました!②

2021年10月23日(土)
依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター/湯原コミュニティーセンター
プログラム「石のペーパーウェイト」

七ヶ宿町を訪れる日は晴れの日が多いのですが…今回は珍しく雨が降りました。「これは嬉し涙なのよ」そう言ってあたたかく出迎えてくれた七ヶ宿町の皆さん。その笑顔はまるで太陽のようです。

本日のプログラムは「石のペーパーウェイト」ですが…その前に本日の画材アクリラを使って「雪の年賀状」を作ってみませんか?七ヶ宿の山々は色づき始めたばかり。まもなく紅葉は見頃を迎えますが…季節を少し早送りして雪を表現していきます。

 

粉雪、吹雪、べた雪…雪にはなんと50以上もの種類があるのだそうです。雪をよく知る七ヶ宿の皆さんでも「へぇ~」と感嘆の声が聞こえてきました。

あっという間に雪の世界の広がるカードの完成です!遠くに住むひ孫に手紙を書こうかな~という方もいらっしゃって、出来上がったカードを前に会話が弾みます。こんなステキなカードがポストに入っていたらひ孫さんも驚くでしょうね。手作りだと知ったらさらに喜んでくれること間違いなしですよ。

さぁカード作りで手慣らしした後は、お待ちかねの石の登場です!皆さん七ヶ宿町内でとれた石を持って参加してくださいました。大きな重い石、丸い石、小さい石…様々な石に色をつけていきます。

「大きな石持って来てしまったから塗るの大変だぁ」「小さい石だから見ねぇ」と皆さん自分たちの持ってきた石と向き合い悪戦苦闘。とはいえマスク越しでもわかるくらいその表情はニコニコと楽しそうです。昨日まで道端に転がっていた石達が綺麗に装飾されてキラキラと輝きだしました。

庭、畑、川原…様々なところでとれた石達が絵の具をまとって色とりどりのペーパーウェイトに大変身!石に最初に塗った色があまりに綺麗過ぎて模様を描くのをためらう方もいましたよ。上下左右置き方を変えると表情が違って見えるから不思議ですね。その日の気分で置き方を変えてみるのも面白いかもしれませんよ。次回は「青首だいこんのちぎり絵」です。どんな大根が出来上がるのか今からとても楽しみです。

おまけの後日談★

今回制作した石のペーパーウェイトは1つでしたが…なんとその後、お家にある画材を使って仲間を制作なさった方がいらっしゃるそうです。黒い台座の上に凛と佇む3つの作品はもとは道端にあった石とは思えないほど美しく堂々として見えます。作品のその後の物語を垣間見ることが出来なんだか嬉しくなりました。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【依頼講座】七ヶ宿町に行ってきました!①

2021年7月10日(土)
依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター/湯原コミュニティーセンター
プログラム「蝶の軌跡のデザイン画」

7月に入り雨の日が続いております。今年度、初講座であるこの日も宮城では朝から雨が降っておりましたが、七ヶ宿町へ近づくに連れ雨雲が去っていき・・・会場に到着する頃には驚くほどきれいな青空!お空も歓迎してくれているのかしらと嬉しくなりました。

本日は七ヶ宿町で初の色鉛筆プログラム「蝶の軌跡のデザイン画」です。500色の色鉛筆が登場すると一気に会場が華やかになりました。

今日はこの中から自分が使ってみたい色を選んでください。

「色ってこんなに種類あるんだね」「似てるけど違う色なの?」迷いながらも皆さん色選びに夢中です!

お隣の方が選んだ色を見て選びなおしたり・・・お買い物みたいで楽しそうですね。

初めての色鉛筆プログラムなので、まずは手慣らしでハガキサイズの作品を描きます。色鉛筆を寝かせて色を塗って優しい色調の画面に仕上がっていきます。

 

小さな四角の中に混色で生み出された美しい色の世界が広がっていきます。オイルパステルや絵の具とは違った描き心地に皆さんなんだかとても楽しそうです。

本日のプログラムは蝶の軌跡。飛んだ跡である「軌跡」がテーマなのですが・・・「きせき」と聞くと「奇跡」ミラクルの方を思い浮かべた参加者の方もたくさんいらっしゃったようです。

「違いますよ「軌跡」ですよ」と説明しましたが、まさかの「奇跡」が起こりました!午後の湯原会場で「蝶の飛び方なんてわかんね」と頭を悩ませていると・・・なんと本物の蝶々が現れたのです!窓の外に目を向けるとヒラヒラと飛び方を見せてあっという間に去っていきました。蝶々がわざわざ飛び方を見せに来てくれるなんて・・・七ヶ宿町の皆さんは生き物達にも愛されているんですね。

半年ぶりの臨床美術講座で2つも作品を制作し、皆さん右脳も左脳も利き手もちょっとお疲れのようす。中には二刀流ならぬ三刀流で描く兵も現れました!

疲れや迷いはどこへやら根気強く色を重ねて色鉛筆ならではの優しい色調の作品に仕上がりました。混色したりグラデーションを楽しんだり・・・台紙の貼り方も個性的でステキです。

作品が出来上がったら鑑賞会の始まりです。「離れて見ると自分の作品じゃないみたい!」手元で見ていた時とは違う魅力が発見出来たようですね。可愛らしい作品たちなのでお家に帰ったら是非飾ってくださいね。

そういえば・・・朝の青空も「奇跡」でした。七ヶ宿町は奇跡と出会える町なのかもしれませんね。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【依頼講座】 七ヶ宿町に行ってきました!②

2020年11月7日(土)
依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター&湯原コミュニティーセンター
プログラム「クリスマスツリーを描く」

季節は秋、七ヶ宿の山々は美しい紅葉であでやかな色をまとっていました。町が秋色に染まる中、七ヶ宿の皆さんと一足お先にクリスマス気分を味わってまいりました。前回同様、マスク着用、手指消毒等 コロナ感染対策をしっかりとして、安心してリラックスした雰囲気の中でクリスマスの音楽を聞きながら、今回のプログラム「クリスマスツリーを描く」が始まりました。

「クリスマスと言えば?」の問いかけに、アイスクリームケーキの思い出や、サンタクロース! プレゼント! トナカイ!・・・とクリスマスのイメージはいろいろ・・・その中でクリスマスのシンボルとも言えるクリスマスツリー!もみの木の形? あれ?もみの木の葉って上を向いているんだねという気付きはさすがです。

自分のもみの木の色をあまり迷わずに選んでいく七ヶ宿の皆さん。画面に絵の具をとんとんとんとん・・・もみの木が大きく成長していきます。

そして、そのもみの木に雪が積もります。思わず触ってみたくなるような雪を降らせる七ヶ宿の皆さん。

「いっぱい降るからねえ」との言葉になるほど、思わず頷いてしまいました。

クリスマスの音楽にあわせて皆さんの手が軽やかに動き 「う~ん、むずかしいな~」から「わ~、楽しいな~」とツリーが仕立てられていきます。楽しさが伝わってくるクリスマスツリーが出来上がりました。

参加者の皆さんによるプレ鑑賞会のスタートです。お互いの作品を褒めあいながら近くで眺めて談笑し合う大切な時間です。

大きなどっしりとしたもみの木に降る雪。まるで物語の中にいるようなあたたかな雰囲気のツリー達。リズミカルな音楽が聞こえてきそうです。きっと今年のクリスマスは皆さんのツリーが華やかな一日に一層の彩りを添えてくれることでしょう。わくわく・・・クリスマスが待ち遠しいですね。今年度の講座は今回で終了です。コロナ禍で予定通りとはいきませんでしたが、七ヶ宿町社会福祉協議会様に感染予防のご配慮をいただき、9月、11月と講座を開催できましたこと感謝申し上げます。来年度も楽しい時間を七ヶ宿の皆さんとご一緒出来ますように・・・

七ヶ宿の皆さん メリークリスマス そして よいお年をお迎えください☆

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【依頼講座】 七ヶ宿町に行ってきました!①

2020年9月12日(土)
依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター&湯原コミュニティーセンター
プログラム「雨のガラス絵」

新型コロナウイルス感染症の影響により、予定されてた春夏の講座が中止になってしまった為、今回が今年度初の講座になりました。前回の講座からなんと10ヶ月ぶりの七ヶ宿講座です。参加者の皆さんに忘れられていないかしらとの心配はどこへやら…「いつもたくさん荷物持って来てくれてありがとうね」「楽しみにしてたんだよ」とあたたかい言葉で出迎えてくださいました。

コロナ禍での開催ということでマスク着用、手消毒、飛沫予防シート…感染予防対策をした上でのスタートです。いつもとは少し違う雰囲気にはじめは少し緊張が見られましたが「今日は何するんだったか?久しぶり過ぎて忘れてしまったわ~」との声に、大きく頷き同調する姿が見られました。七ヶ宿町の皆さんの変わらない明るさで会場内は一気に和やかな雰囲気になりました。

「今回は雨を描きます」とメインが伝えると皆さんなにやら不安そうな表情。1年ぶりに使う絵の具を眺めながら真剣に色を選んでいます。同じテーブルの方同士で選んだ絵の具を見比べながら楽しそうに談笑しています。気の知れた仲間とのコミュニケーションは日頃の疲れを癒してくれますね。

どんなプログラムでも描き始めは躊躇してしまうものですが、七ヶ宿町の皆さんは違います。「何描いてるかさっぱりわからない」と言いながらも、素早い手つきで画面の中に雨を降らせていきます。降り始めはシトシト、パラパラ…優しい雨。

雨雲になったつもりでどんどん雨を降らせていきます。気づけば画面いっぱいに雨の空気が表現されていました。普段、山々の美しい自然を目にされているだけあって色どり豊かな作品に仕上がっていきました。

絵の具の混色やスクラッチの太さで雨の強さが変わって見えるから不思議ですね。出来上がった作品が並べられると七ヶ宿恒例のプレ鑑賞会が始まりました。作品の近くに集まってお互いの作品を褒めあったり、写真を撮ったりと優しい時間が流れます。マスク越しであっても笑顔だとわかるほど皆さん穏やかでステキな表情をされていましたよ。私たちが七ヶ宿町を訪れてから6年目にして初めて今回雨が降りました。雨音には心を癒す効果があるのだとか。BGMでも雨音のCDを流しながらの制作でしたが、七ヶ宿町の皆さんの楽しい笑い声の方が癒しの効果が大きいのかもしれませんね。私たちの方がすっかり癒されましたよ。次回は冬を予定しています。皆さんにお会い出来る日を楽しみにしております。

※講座開催の為、様々ご配慮いただきました 七ヶ宿町社会福祉協議会様 この場を借りて御礼申し上げます。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

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