日々の活動Blog

【依頼講座】七ヶ宿町へ行ってきました!①

2025年5月17日(土)

依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター
プログラム「シースルーライン」

七ヶ宿町での今年度最初の講座は、あいにくの雨模様となってしまいましたが、雨に洗われた木々の葉が新緑の美しさをより鮮やかにしてくれました。七ヶ宿町の自然の豊かさを実感する中での始まりです。今回の参加者は14名。いずれも体験を重ねてくださっているので、今回も楽しみに集まってくださったようです。更に今年度から担当される職員の方も加わっていただき、総勢15名で実施しました。

取り組むプログラムは色鉛筆を使用して描くものです。モチーフのないプログラムなので、始めに参考作品を提示してイメージを高めていただきました。

描き出しは色鉛筆で数本の違う形状の線を引くことからです。単純ではありますが、普段ほとんどやったことのない動きに、思わず「楽しい!」という声が聞こえてきました。

その後は、各自どんな形があるか眺めてみます。見つけたところに色を塗ったり、様々な工夫を凝らしながら形を埋めていきます。静かな空間で各自の世界に没頭していかれました。

仕上がってきたかな~というところで、スタッフから「これを切ります」と意外な声がけがあり、「え?」という展開になりました。スタッフの説明をたどりながら作品は形を変えます。工程はシンプルですが「どうしたらいいか悩む~」とか「あたま使うな~」との声に、スタッフも「たくさん悩んで楽しんでくださいね」と進めました。

ようやく新たな形に整ったところで、更に「これで終わりではありませんよ~ 、もうひと手間あります」と次の段階へスタッフは促します。参加者からは「えっ、まだ終わりじゃないの?」との驚きの声。「これからが最終仕上げです」と、もう一つ工程を加えます。各自の作品が更にバージョンアップしたところでサインを入れました。

鑑賞会では、まず作品を一堂に並べてみると、各作品でこんなに違いが鮮明になるものかということに驚かされました。

同じ画材、同じ道具を使用しているにも関わらず、画面の構成や色鉛筆の塗り跡、線の強弱や装飾線の活かし方等、まさに「オンリーワン」というクリニカルアートの特性を活かした出来栄えになったと思います。スタッフとしては、熱心に取り組まれる雰囲気に講座でのやりがいと、予想以上の作品との出会いに力をいただいた気持ちです。

今回の作品は、来月町内にある「こ・らっしぇ」で展示されるそうです。たくさんの方々に見ていただきたいですね。
次回は7月です。次は、どんな作品と出会えるかスタッフも楽しみにしています。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【展示情報】クリニカルアートやまがた 作品展 開催!

★クリニカルアートやまがた 臨床美術作品展★

今回、山形県米沢市の米沢信用金庫のギャラリーにて作品展を開催する運びとなりました!
お近くの方はもちろん、この機会にぜひ米沢までお越しください♪

期日:令和7年1月21日(火)~2月3日(月)
場所:米沢信用金庫 本店ギャラリー (山形県米沢市大町5-4-27 TEL 0238-22-3435)

 

PDFでのデータはこちら
↓↓↓
202501021 米沢信金展示

 

 

【依頼講座】七ヶ宿町へ行ってきました!④

2024年11月16日(土)

依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター

プログラム「里芋のスクラッチレリーフ」


猛暑の影響からか、今年の紅葉は遅れて見頃を迎えたようです。11月中旬ですが…七ヶ宿町の山々も赤や黄色の葉を纏い美しく色づいていました。外の空気はひんやりと肌寒いのですが、室内は暖か。会場の雰囲気もぬくもり感じる明るい笑顔と笑い声に包まれています。会場の入口には里芋。七ヶ宿町で採れた立派な「土垂」を社協さんが用意してくださいました。今年度最後の講座は里芋をモデルにレリーフを作ります。

まずは、里芋を観察します。いつもはすぐに皮を剥いてしまう里芋ですが、じっくりと観察するとなかなか魅力的な形や色、模様をしています。土の中で栄養を吸収して大きく育った里芋達。個性豊かな姿をしています。この形を粘土で表現すると聞き参加者の皆さんは少々不安気な表情です。

しかし、粘土が登場すると先程までの不安はどこへやら、童心に返ってコネコネ、もみもみ、丸めたり、指で押したり、摘んだり、つねったり…とても楽しそうです。

里芋の形を作ったらお次はスクラッチです。里芋の皮には個性溢れる縞模様。絵の具を塗った表面を削ると粘土の茶色が見えてきて、一気に里芋らしく見えてくるから不思議ですね。時折会場はシーンと静まり返り時を忘れて制作している姿が見られました。右脳に切り替わっていますね。

まるまるほくっと美味しそうな里芋の完成です!黒い台紙に置いたら一層里芋の形や模様が引き立ちますね。

「粘土がついた手を綺麗にしたら鑑賞会をしませんか」とメインが声をかけたところ片付けが済んだ人から作品の周りに集まり始めました。いつもは席で座って実施している鑑賞会ですが、今回はこのまま作品の近くで立ち見鑑賞会のスタートです!

細かく描き込まれた縞模様、あえて描き込みすぎないことで形を強調したり、先端を反るように形作ったり、里芋の丸みを表現したり…近くで見ればこそわかる個性と魅力の数々。本物よりも大きくてずっしりと存在感のある作品に仕上がっていました。このままみんなで川原で芋煮会がしたくなりますね。出来上がった作品は町のカフェ「こ・らっしぇ」に展示されるそうです。今年も制作を通じてたくさんの笑顔に出会えたこと嬉しく思っております。来年はどんな作品と出会えるのか今からとても楽しみです。少し早いのですが皆様よいお年をお迎えください。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【依頼講座】七ヶ宿町へ行ってきました!③

2024年9月7日(土)

依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター
プログラム「玉ねぎを描く」


天気予報では雨でしたが、七ヶ宿町の皆さんの気持ちが空に伝わったのでしょうか…みごとな晴天!真夏に戻ったかのように元気な太陽が姿を見せてくれました。

本日描くのは「玉ねぎ」です。生で、煮て、焼いて、揚げても…料理のバリエーションは多種多彩!いろいろな料理に使えるので、ご家庭で常備している方も多いのではないでしょうか。

「いつもすぐに切っちゃうからね」「食べるのはいいけど描くのはね〜」と見慣れ玉ねぎを前に皆さん少々不安そうです。

まずは手に取ってじっくりと観察してみませんか。よく見ると丸みを帯びたかわいらしい形をしています。ボールのようにまん丸ではなく、一つ一つ色や形、大きさが違います。

配られた黒い台紙の上に置いてみるとその形状の違いがはっきりと見てとれます。モデルをつとめる玉ねぎ達はいつもにも増して輝いて見えます。

描き始めは「鉛筆」です。これは七ヶ宿町の講座では初めてのこと。オイルパステルや絵の具と違う繊細な描き出しに緊張が高まります。でも、描き始めてしまえば皆さん迷うことなく自然と手が動いていましたよ。

鉛筆を色鉛筆に持ち替えたら彩色です。色鉛筆を寝かせて混色したり、繊細な線、しっかり力強い線でスジを描き込んだり…ツヤツヤまぁ〜るい玉ねぎに仕上がっていきます。参加者の中にはご自身で育てた玉ねぎをご持参くださった方もいらっしゃいました。紫玉ねぎや大きな玉ねぎ、根が特徴的な玉ねぎ等、個性豊かな玉ねぎ達。実物よりも魅力的な『玉ねぎ』の完成です!

手のひらサイズの小さな作品ですが、ずっしりと重みの感じられる玉ねぎに仕上がっていましたよ。鑑賞会で離れて見ると手元で見ていた時とは違う印象に見えてくるから不思議ですね。どの玉ねぎも瑞々しくてとても美味しそうです。店頭に並んだらあっという間に売り切れてしまいそうですね。
出来上がった作品は町のカフェ「こ・らっしぇ」に展示されるそうです。玉ねぎには血行を良くしたり、疲労回復効果もあるのだとか。玉ねぎを、描いて食べて夏の疲れを吹き飛ばしましょう。次回の講座は11月です。実りの秋にお会い出来ますこと楽しみにしています。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【依頼講座】七ヶ宿町へ行ってきました!②

2024年7月20日(土)

依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター
プログラム「殻つきカラころピーナッツ」

 
緑濃い山々が美しい七ヶ宿に行って来ました。連日の暑さで、つい「暑いですね〜」が合言葉のようになっていますが、久しぶりにお会いする七ヶ宿の皆さんはとても涼やかな素敵な笑顔で迎えてくださいました。

オイルパステルの混色の感じを確認して、さあいよいよ殻つきピーナッツの登場です。ピーナッツ、いわゆる落花生がどんなふうに成長するのかを写真で見てみると「家でも作ってるのよ〜」という参加者さんもいらっしゃいましたよ。花が枯れて落ちてから地下に実がなるから「落花生」ということを教えていただいて、なるほど〜。

振ってみると 「カラッコロッ」 と音がします。いつも何気なく殻を割って口に運んでいたピーナッツですが、よく見るとひとつひとつが違う表情をしていて「面白いわね〜」割ってみると中にはかわいい豆粒。

さあ!オイルパステルで豆粒を描いていきます。

少しずつ大きくなって…

豆粒に殻をかぶせて色を重ねていきます。艶がでてきました。皆さん指先に集中してたくさん色を重ねてピーナッツの殻がどんどん深みを増していきます。

あらためてピーナッツをよく見てみるといろいろなくびれや窪みが見えてきます。色鉛筆で色を加え割り箸ペンも使って、自分色のピーナッツが出来上がっていきます。

台紙を選んで仕立てです。七ヶ宿町の皆さんはご自分の作品にぴったりな台紙をあまり迷うことなく選んでいきます。貼り方もそれぞれ作品が映える貼り方をされます。さすがです。

鑑賞会が始まりました。「難しかったあ」とのお声もありましたが、壁一面、表情豊かなピーナッツが並びました。


浮き立つような仕上げのピーナッツ
飛び出してきそうな元気なピーナッツ

思わず手に取りたくなるようなピーナッツの数々……
カラッコロッと音が聞こえてきそうです。今回も作品は「こ・らっしぇ」に展示されるそうです。お近くにお越しの際は是非お立ち寄りください。次回は9月7日。夏の暑さの名残りはありつつも朝夕に少しずつ秋の気配を感じる頃でしょうか。また七ヶ宿の皆さんに元気にお会いできることを楽しみにしております。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

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