日々の活動Blog

【レポート】臨床美術体験講座「いろいろな線と色で遊ぼう」(第2回目)

開催日時:2013年2月24日(日)9:30~11:30
会場:東北芸術工科大学アトリエ棟
参加者:34名

生憎の大雪にも関わらず、前回の講座参加者を上回る34名の皆様にご参加いただきました。小さいお子さんと一緒のお母さんや友達同士、おばあちゃんとお孫さんや福祉関係にお勤め方など、年齢も参加の仕方もさまざま。中には、前回の講座に参加してくださった方も。「臨床美術って私もできるの?」「若い人ばっかりが参加しているのでは?」「私絵を描いたことないんだけど・・。」など、ちょっぴりの不安と期待が入り混じりながら、当日を楽しみにしてくださっていたご様子でした。

◎まずはアイスブレイクでジェスチャーゲーム
スタッフの自己紹介を早々に終え、参加者のみなさん同士でも自己紹介。すると笑顔もでて緊張がほぐれてきます。次にコミュニケ―ションを深めるためのジェスチャーゲーム。言葉を使わず身振り手振りで自分の誕生日を周囲に伝え、全員が見事日付順で並ぶことができたら成功です。(で大成功!でした)

◎いよいよ制作に入ります
皆さんの緊張がほぐれ和やかな雰囲気になったところで、いよいよ制作です。今回の講師は、クリニカルアートやまがたメンバーの臨床美術士 高橋かおるさんです。(高橋さんは宮城や岩手などでも多数の臨床美術プログラムに携わっています。)

参加者のほとんどのみなさんがオイルパステルを使うのは初めて。まずはオイルパステルを使い試し描きをしました。高橋さんの話に耳を傾けながら、細い線、幅のある線、曲線、両手にパステルを持ってたくさんの点を描くなど、パステルの感触と描き心地を試していきます。

次にいよいよ本番です。今回のプログラムは「いろいろな線と色で遊ぼう」です。
色の線の重なりや混色の美しさ、直線や曲線のハーモニー。描いた線を指でこするたびに美しく変化する絵に引き込まれるように、参加者のみなさんも制作に集中。悩みながらも、自分だけの世界が広がっていくのを楽しんでいたようです。
描くほど、色を重ねていくほど、自分だけの色が出てくる発見や感動、面白さに、描く手が止まらなくなるのもこのプログラムの魅力です。


描いた絵がきれいに映える色枠を選んで画面をトリミングしたら、いよいよ完成です!


みなさんの力作の数々です!これまで絵に自信が無かった方も、うまく描けないかも、と不安だった方も、表現できたことの自信や満足に繋がる瞬間です。講師の高橋さんの「どんな工夫、ポイントで制作されましたか?」という一人ひとりへの問いかけに対しても、様々な感想が飛び出してきました。

◎参加者の感想をご紹介
今回の講座では、参加対象を「どなたでも」としたこともあり多くの方にご参加いただきました。小さなお子さんから大人までが同じ会場で制作したことで、互いに良い影響もあったようです。今回の参加者の皆さんから伺った感想も、こちらで少し紹介させていただきます。

「学生の頃に絵を描いていたせいか、使い慣れない色を使う難しさがあって手が止まりそうだったけれど、近くに座っていた子どもさんの影響を受けて、自由に描いていいんだ!と思いなおし、楽しんで描けました。」
「認知症という言葉があったので興味を持ち参加しました。皆さんの作品を眺めると、同じ段取りで描いているのに人それぞれ違い、作品に表れる世界観が違うことに驚きました。」
「小さい子どもも一緒に制作できて楽しかったです。スタッフの方が声をかけてくれるので、不自由なく制作できました。オイルパステルの描き心地がやわらかくて良かったです。」

次回の講座もお楽しみに!

安達奈緒子(クリニカルアートやまがたメンバー)

【レポート】臨床美術講座 in セカンドハウス彩祐結

日時:2013年2月11日(月)13:00~14:30
会場:セカンドハウス彩祐結(山形市)
実施内容:「いろいろな線と色で遊ぼう」

セカンドハウス彩祐結は、障がいの有無に関係なく、子供が安心して過ごせる地域の居場所として、山形市内で児童発達支援、放課後等デイサービス、民間学童保育、障がい児相談支援を行っている施設です。
セカンドハウス彩祐結HP:http://www.ayumu.jpn.com/

私たちクリニカルアートやまがたの発足と同時期の開館でしたが、東北芸術工科大学を通じて臨床美術講座の依頼を頂いていました。双方の準備期間1年を経て、やっと実現。どんな子どもたちと会えるのかを楽しみに、ちょっと緊張しながら当日を迎えました。

今回の講座参加者は、小学校低学年の子どもたちが中心。お母さんも一緒に参加してくれた子もいました。子どもたちは元気いっぱい!初めて会う私たちや使う画材に興味津々です。今回は、臨床講座「いろいろな線と色で遊ぼう」を開催。導入部分では、本会のメンバー松田さんが、お手製のエプロンシアターに合わせてみんなで手遊びをし、なごやかな雰囲気で制作がスタートしました。子どもたちは、描き方の説明に聞き入ったり、描きたくてうずうずしていたりとさまざま。オイルパステルと画用紙を配ると早速制作に取り組み始めました。

「こすると色が変わってくるよ」「削ると下の色が出てきておもしろいよ」など私たちが声かけするとそれらを積極的に描き進めていきます。画用紙だけでなく、下に敷いた新聞紙にもたくさん絵を描いてくれた子もいました。
そしていよいよ完成。沢山の色を使って重層的な作品に仕上がった子、指を使って色を混ぜてやわらかい雰囲気の作品や、スクラッチを頑張ってまた塗り重ねて…思いっきり画用紙に向かった様子がそれぞれの作品から伝わってきました。「楽しかった!」という感想も。彩祐結のみなさん、ありがとうございました!またいろんなプログラムを一緒に楽しみたいですね。

安達奈緒子(クリニカルアートやまがたメンバー)

【募集】臨床美術講座「いろいろな線と色で遊ぼう」

クリニカルアートやまがたでは、臨床美術講座の第2回目を開催します。

臨床美術(クリニカルアート)は、独自のアートプログラムに沿った創作活動を通して右脳を活性化し、私たちの脳と心をときほぐしていくものです。認知症の症状緩和や予防、教育や福祉の分野でも評価を得ています。
この度開催する「いろいろな線と色で遊ぼう」では、美しい色のオイルパステルを使い、リラックスしながら自由に絵を描くことを楽しみます。認知症予防やアートプログラムに関心のある方であればどなたでもご体験いただけます。

◎開催概要
日時:2013年2月24日(日)9:30~11:30
会場:東北芸術工科大学アトリエ棟 3階
住所:山形市上桜田3-4-5
料金:500円(材料費代)
定員:30名(先着順) 定員に達しました。お申し込みありがとうございました。
対象:興味のある方どなたでも
応募締切:2013年2月20日(水)までお申し込み下さい。

主催:クリニカルアートやまがた
協力:東北芸術工科大学美術館大学センター
後援:日本臨床美術協会

 

 

【レポート】臨床美術 featuring フェリシモ

学童保育でお絵かきワークショップ
500色の色鉛筆で「カラフルパズル」
2012年12月25日、26日

レポート:高橋かおる(クリニカルアートやまがたメンバー)
写真提供:フェリシモ

通信販売会社フェリシモ、公益社団法人セイブ・ザ・チルドレン、NPO法人日本臨床美術協会が協力し、被災地の子供たちの心のケアを目的としたワークショップが開催されました。フェリシモが臨床美術で被災地を支援するのは夏に続き2回目です。今回はフェリシモの商品500色の色鉛筆を使い、日本臨床美術協会が特別に考案したアートプログラムを実施しました。今回のワークショップは福島県(会津市)、岩手県(大船渡市、釜石市)の学童保育で同日に実施され、私は前回に引き続き小野寺さん(岩手県在住)と一緒に岩手県沿岸部のボランティアに参加させていただきました。

子供たち同様、今回初めて500色の色鉛筆を目にしましたが、たくさんの色が並ぶと気持ちが一気に明るくなります。子供たちからは「わ~ぁ」という歓声が聞こえました。色鉛筆には1本1本名前がついていてそれを読むのも楽しみの一つです。


モチーフは葉っぱや石といった身近なものです。気に入ったものを選び、虫眼鏡を使って真剣に観察していました。いつも目にするものばかりですがじっくり観察するといろいろな色が見えてきます。

今回の画材は3.5㎝四方の小さな紙です。この大きさが色鉛筆で塗り重ねるには丁度良いようです。モチーフを手に色鉛筆を選ぶ子供たちの表情は真剣そのものです。選んだ色鉛筆を使って画面に色を塗り重ねていきます。優しく繊細に色を塗ったり、力強く画面を塗りつぶしたり小さな画面の中に個性が光ります。

色鉛筆の混色はオイルパステルとは違った魅力があります。「黄色と紫で茶色になった!」と子供たちの発見も無限大です。出来上がった作品はグレーの紙に様々な角度で配置されました。タイトルの通り「カラフルパズル」です。

鑑賞会では「いろいろな色を選ぶことが楽しかった」「気持ちが良かった」といった感想が聞かれました。子供たちの数だけたくさんの色の世界が広がります。

ワークショップ終了後には、各学童保育に1セットずつ色鉛筆がプレゼントされ、子供たちは大喜びです。今回訪れた学童の子供たちが春になったらどんな作品を作るのかとても楽しみです。

今回一緒にボランティアに参加した小野寺さんからも感想をいただきましたのでご紹介します。

「一つのセッションを15名程度に調整していただいたおかげで、一人一人に十分な対応をすることができてよかったと思いました。子どもたちの素敵な作品に感動しました。今後もフェリシモの皆さんのお蔭で、このボランティア活動を継続することができます。私は、岩手県を任されたので責任感でいっぱいですが、同時にやりがいも感じています。子ども達の笑顔のために、努力したいと思っています。」

 

 

 

 

クリニカルアートやまがた忘年会

さてさて。今年はクリニカルアートやまがた結成年でした。私たちを育てていただいた臨床美術協会の理事であり、臨床美術士の鍋島先生をお招きして、2012年12月15日に忘年会を開催しました。

会場は山形駅前にある居酒屋「あきよし」。東海林会長がみんなをねぎらいたい思いで探してくださった魚料理のとても美味しいお店です。

席に座るとなにやら怪しげな袋が。。こちらも会長が用意したビンゴの商品。お楽しみ袋です。この袋の中身はメンバーだけの内緒ですが(笑)とても美味しくいただきました。他には、村山市にある美味しい天然酵母のパン屋さん「nouka」のパンも。会長は地元の美味しいものやがんばっているお店の商品を買ってきてみんなにプレゼントするのが大好きなのです。そんな会長の口癖は「地域活性化」と「ネットワーク」です。そういう会長に温かい目で見ていただきながら、私たちはこの1年ほどを活動することができました。

今回は参加できないメンバーも多々いましたが、今年の活動開始年を「ホップ」(ビール)でねぎらい、来年が良いステップ年となるよう近況と抱負を語り合いました。

みなさまにとっても素敵な年となりますよう、心よりお祈りしております。

 

樋口雅子(クリニカルアートやまがたメンバー)

 

 

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