日々の活動Blog

【依頼講座】七ヶ宿町へ行ってきました!②

2022年7月2日(土)
依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター
プログラム「スイカの暑中見舞い」

 

ジリジリと暑い夏がやってきました!参加者の皆さんは太陽の日差しに負けないくらいとても元気です。今日のモデルは夏を代表するくだもの「スイカ」です。

1人分づつ切り分けられたスイカが配られると皆さんの瞳がキラキラと輝きました。「これは熟しているね」「美味しそうなスイカだね」とじっくりと観察しています。

「香りを嗅いでみましょう」とのメインの呼びかけに「青くさいね」「甘い香りがする」と感想は様々。パックに入ったスイカを手に取って、いろいろな角度からスイカを眺めてとても楽しそうです。今回は久しぶりに試食用のスイカもご用意いただきましたよ。口に入れるとみずみずしい甘さが広がって思わず全部食べてしまいたくなりますが、我慢我慢!皆さんの制作意欲も刺激されたようです。目で見て嗅いで味わって…五感を使ってスイカを感じた後はお待ちかね制作の始まりです。

水彩絵の具を使って白い紙の上にスイカのみずみずしさを表現していきます。味や香り感じた色を選んでスイカの果肉の色に近づけていきます。

七ヶ宿町でお馴染みの途中鑑賞会が始まりました。違うテーブルの方の作品を眺めてお互いに褒め合います。色や技法について質問し合って、良いところは自分の作品に活かす大切な時間です。同じスイカでもこんなに色が違うという発見があったようですよ。

スイカといえば「種」もお忘れなく!

「私のスイカには種がいっぱいあるよ」「白い種もあるわ」「筋もあるわね」と制作中は何度もスイカに目を向けながら制作していましたよ。実はこのプログラムは、2015年8月にも実施しているので、今回2度目の参加者の方もいらっしゃいます。前回はどんな作品に仕上がったのかというと…

スイカといえば「赤」の印象が強かったのでしょうね。(2015年8月撮影)

そして今回の鑑賞会の様子がこちらです。味や香りスイカから感じた思い思いの色の世界を表現してくださいました。みずみずしさはもちろんのこと夏の暑さを吹き飛ばすような元気で明るい気持ちになれる作品に仕上がっていましたよ。

今回の制作には続きがありまして…端材を使ってハガキサイズのカードにコラージュを楽しまれていました。次々と発想が膨らんで手が止まらない様子。七ヶ宿町の皆さんの想像力は無限大のようです。

今回も楽しい時間をありがとうございました。暑い夏を乗り切るパワーを七ヶ宿町の皆さんからたくさんいただきました。次回の講座は10月。実りの秋にお会いしましょう。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【依頼講座】七ヶ宿町へ行ってきました!①

2022年5月14日(土)
依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター
プログラム「植木鉢に描く地中のアナログ画」

 

日増しに木々の緑が濃くなり初夏の風が感じられる季節になりました。今年度、第一回目の臨床美術講座は、参加者の方からリクエストがありました『植木鉢に描く地中のアナログ画』です。実はこのプログラム以前にも七ヶ宿町で実施したことがあるのです。調べてみたら2016年7月18日に実施していたようですよ。

この写真は6年前の講座の写真です。月日の流れは早いものですね。メインは前回と同じメンバーが担当させていただきました。でも、写真を見ていると前回と大きな違いを発見しました!

ヒントは机の上にありました!

前回はこちらで用意した植物の種や根を見ながら制作しましたが、今回は参加者各自でご持参いただきました。机に並ぶ種や草花達・・・ご自身の庭や畑から摘んで来た方もいましたが、いつもの散歩コースで視点を変えて探してくれた方もいたそうです。苦労の甲斐あっていい形の種を見つけたとお話してくれた方もいましたよ。

 参加者の皆さんは、講座が始まる前の早い時間から集まって、お互いに持参したモチーフを見せ合っていました。前回の大根に引き続き今回もモチーフを探すところから講座が始まる参加型スタイルです。個性豊かな草花を前に皆さんのテンションも上がっています。

 

「この種何なの?」「面白い根っこだね~」「あら~たくさん持って来たから私の種分けてあげるから」とモチーフを前に会話が弾みます。講座が始まる前からとても楽しそうです。

 

制作が始まりました。いつも以上にじっくりと時間をかけてモチーフを観察しています。種の形だけでは、成長した姿が想像出来ないものもあってその過程を想像するのも面白いですね。

 

小さな植木鉢に地中の世界が広がっていきます。平面の紙とは異なり曲面に色を塗るのが大変という声も聞こえてきましたが、オイルパステルを立てたり寝かしたりしながら思い思いに塗り込んでいました。

 

出来上がった作品は中央の机に並べて鑑賞会です。1つ1つメインが手に取りながら、いろいろな角度から作品を見つめます。

 

よく見ると植木鉢の裏側や内側にも色を塗っている方がいましたよ。素焼きの植木鉢が色とりどりの衣装を身にまとって一列に並ぶと、まるでファッションショーのような華やかさです。立体作品の魅力は様々な角度から見て楽しめることです。ご自宅に持ち帰ったら、時折、角度を変えて展示を楽しんでくださいね。次回は夏の講座でお会いしましょう。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【依頼講座】七ヶ宿町に行ってきました!③

2021年11月6日(土)
依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター/湯原コミュニティーセンター
プログラム「青首だいこんのちぎり絵」

今年度最後の講座の日。七ヶ宿町では紅葉が見頃を迎えていました。真っ青な空と赤や黄色に色づいた木々が美しく見とれていたらあっという間に会場に到着しましたよ。今回のプログラムは「青首だいこんのちぎり絵」です。実はこのプログラム2016年3月にも1度実施しているのです。今回の参加者のうち数名は2回目の制作になります。昨年度、最後の講座で参加者の皆さんに「来年はどんなプログラムをやってみたいですか?」とお聞きしたところこのプログラムをもう一度やってみたいとのリクエストをいただいたのでした。考えてみれば・・・私たちクリニカルアートやまがたでも同じ会場で同じプログラムを2回実施するのは初めて!どんな発見があるのかとても楽しみです♪

「おはようございま~す」と会場に入る皆さんの手には大きな大根。畑で採れた個性豊かな大根を持ってきてくれたそうです。お互いの大根を見比べながら会話も弾みます。

臨床美術は五感で楽しむ美術です。しっかり見て触って大根の大きさや形を確かめましょう。「重いねぇ」「葉っぱ萎れてっちゃ~」「曲がってていいねぇ」「ヒゲ抜かない方がいいよ!あった方がいいから」と自分の大根のみならず他の方の大根の魅力にも気づけるくらい皆さん余裕があります。

さぁ~制作の始まりです。様々な紙を使って大根の白さを表現していきます。今回は七ヶ宿町と同じく宮城県南の町で作られた『丸森和紙』もご用意しましたよ。民芸和紙と似ているけれども並べてみると丸森和紙の方がほんのり黄みがかっていて大根の色に近く見えます。ちぎった時の手触りが柔らく感触が心地良いですね。

今回は皆さん大根を良く見て和紙を選んで貼っていました。私の記憶では、5年前は2人で1本の大根を見ていたからか・・・最初は見ていた大根も途中からは作品にしか目を向けず制作していた印象があります。今回は皆さん自信に満ちた表情で大根のヒゲやキズ、シミなどを色和紙で表現しています。和紙をシワシワにしたり、こよりを作ったり・・・和紙を使った表現の幅が広がり、制作を楽しんでいる様子が伝わってきて私たちも嬉しくなりました。

「何やらされてるかわからない」「出来ないから先生やって」と言っていたのは過去の話。紙だけとは思えないほど深みのある色合いの大根に仕上がりましたよ。

迷った時は作品の向きを変えて見てみませんか?と声をかけなくても自然と手が動いて・・・気づけば自分の作品と向き合っています。

和紙をちぎって貼って本物以上に魅力的な大根の完成です!本物の葉っぱを飾りで貼るという新しい挑戦を試みた方もいらっしゃいましたよ。モデルの大根が個性的だったこともありますが、皆さんの大根も負けないくらい表情豊かで見ているだけで楽しくなる作品に仕上がっていました。

色とりどりの朝採り大根が勢ぞろい!白い壁が一気に華やかになりました。見る人みんなを笑顔にする新鮮でイキイキとした大根に仕上がっていました。こんなに魅力的な大根が並ぶ朝市があったら毎日通いたいくらいです。

こちらの写真は2016年3月の作品です。七ヶ宿町で5回目の講座でした。社協さんにとても立派で大きな大根をご用意いただき、2人で1本の大根を向かい合って制作しました。白い大根なのに色の和紙を使うことに抵抗があったようですが、皆さん迷ったり、戸惑いながら和紙をちぎって貼って制作していました。あれから5年の月日が流れ、今回2度目のプログラムでしたが、どの工程に対しても迷いや抵抗がなく楽しんでいる様子が伝わってきました。時には他のテーブルに見学に行き、途中経過を見て鑑賞会を始める余裕も見られましたよ。楽しむ気持ちの大切さを改めて七ヶ宿町の皆さんに教えていただいた気がします。今年度はコロナ禍での講座開催となり、日程の調整はじめ会場設営など七ヶ宿町社会福祉協議会の皆様にはご尽力いただき感謝申し上げます。紅葉が終わる頃には冬の足音が聞こえてきそうですね。大根の入った熱々おでんが食べたくなる季節になりますね。またお会い出来る日を楽しみにしています♪皆様良いお年をお迎えください☆

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【依頼講座】七ヶ宿町に行ってきました!②

2021年10月23日(土)
依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター/湯原コミュニティーセンター
プログラム「石のペーパーウェイト」

七ヶ宿町を訪れる日は晴れの日が多いのですが…今回は珍しく雨が降りました。「これは嬉し涙なのよ」そう言ってあたたかく出迎えてくれた七ヶ宿町の皆さん。その笑顔はまるで太陽のようです。

本日のプログラムは「石のペーパーウェイト」ですが…その前に本日の画材アクリラを使って「雪の年賀状」を作ってみませんか?七ヶ宿の山々は色づき始めたばかり。まもなく紅葉は見頃を迎えますが…季節を少し早送りして雪を表現していきます。

 

粉雪、吹雪、べた雪…雪にはなんと50以上もの種類があるのだそうです。雪をよく知る七ヶ宿の皆さんでも「へぇ~」と感嘆の声が聞こえてきました。

あっという間に雪の世界の広がるカードの完成です!遠くに住むひ孫に手紙を書こうかな~という方もいらっしゃって、出来上がったカードを前に会話が弾みます。こんなステキなカードがポストに入っていたらひ孫さんも驚くでしょうね。手作りだと知ったらさらに喜んでくれること間違いなしですよ。

さぁカード作りで手慣らしした後は、お待ちかねの石の登場です!皆さん七ヶ宿町内でとれた石を持って参加してくださいました。大きな重い石、丸い石、小さい石…様々な石に色をつけていきます。

「大きな石持って来てしまったから塗るの大変だぁ」「小さい石だから見ねぇ」と皆さん自分たちの持ってきた石と向き合い悪戦苦闘。とはいえマスク越しでもわかるくらいその表情はニコニコと楽しそうです。昨日まで道端に転がっていた石達が綺麗に装飾されてキラキラと輝きだしました。

庭、畑、川原…様々なところでとれた石達が絵の具をまとって色とりどりのペーパーウェイトに大変身!石に最初に塗った色があまりに綺麗過ぎて模様を描くのをためらう方もいましたよ。上下左右置き方を変えると表情が違って見えるから不思議ですね。その日の気分で置き方を変えてみるのも面白いかもしれませんよ。次回は「青首だいこんのちぎり絵」です。どんな大根が出来上がるのか今からとても楽しみです。

おまけの後日談★

今回制作した石のペーパーウェイトは1つでしたが…なんとその後、お家にある画材を使って仲間を制作なさった方がいらっしゃるそうです。黒い台座の上に凛と佇む3つの作品はもとは道端にあった石とは思えないほど美しく堂々として見えます。作品のその後の物語を垣間見ることが出来なんだか嬉しくなりました。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

【依頼講座】七ヶ宿町に行ってきました!①

2021年7月10日(土)
依頼講座 七ヶ宿町社会福祉協議会
七ヶ宿町高齢者センター/湯原コミュニティーセンター
プログラム「蝶の軌跡のデザイン画」

7月に入り雨の日が続いております。今年度、初講座であるこの日も宮城では朝から雨が降っておりましたが、七ヶ宿町へ近づくに連れ雨雲が去っていき・・・会場に到着する頃には驚くほどきれいな青空!お空も歓迎してくれているのかしらと嬉しくなりました。

本日は七ヶ宿町で初の色鉛筆プログラム「蝶の軌跡のデザイン画」です。500色の色鉛筆が登場すると一気に会場が華やかになりました。

今日はこの中から自分が使ってみたい色を選んでください。

「色ってこんなに種類あるんだね」「似てるけど違う色なの?」迷いながらも皆さん色選びに夢中です!

お隣の方が選んだ色を見て選びなおしたり・・・お買い物みたいで楽しそうですね。

初めての色鉛筆プログラムなので、まずは手慣らしでハガキサイズの作品を描きます。色鉛筆を寝かせて色を塗って優しい色調の画面に仕上がっていきます。

 

小さな四角の中に混色で生み出された美しい色の世界が広がっていきます。オイルパステルや絵の具とは違った描き心地に皆さんなんだかとても楽しそうです。

本日のプログラムは蝶の軌跡。飛んだ跡である「軌跡」がテーマなのですが・・・「きせき」と聞くと「奇跡」ミラクルの方を思い浮かべた参加者の方もたくさんいらっしゃったようです。

「違いますよ「軌跡」ですよ」と説明しましたが、まさかの「奇跡」が起こりました!午後の湯原会場で「蝶の飛び方なんてわかんね」と頭を悩ませていると・・・なんと本物の蝶々が現れたのです!窓の外に目を向けるとヒラヒラと飛び方を見せてあっという間に去っていきました。蝶々がわざわざ飛び方を見せに来てくれるなんて・・・七ヶ宿町の皆さんは生き物達にも愛されているんですね。

半年ぶりの臨床美術講座で2つも作品を制作し、皆さん右脳も左脳も利き手もちょっとお疲れのようす。中には二刀流ならぬ三刀流で描く兵も現れました!

疲れや迷いはどこへやら根気強く色を重ねて色鉛筆ならではの優しい色調の作品に仕上がりました。混色したりグラデーションを楽しんだり・・・台紙の貼り方も個性的でステキです。

作品が出来上がったら鑑賞会の始まりです。「離れて見ると自分の作品じゃないみたい!」手元で見ていた時とは違う魅力が発見出来たようですね。可愛らしい作品たちなのでお家に帰ったら是非飾ってくださいね。

そういえば・・・朝の青空も「奇跡」でした。七ヶ宿町は奇跡と出会える町なのかもしれませんね。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

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